一隅の灯りに

今年1月に銀座月光荘で磁器の個展をさせていただいた時の個展のテーマを「一灯と茶器」としました。 ふと、自分が小学生の卒業文集に「心に一つの炎を」と書いたことを想い出し、心に灯る明かりと、実際の蝋燭の明かりに想いを寄せ決めました。 暗い画廊でボワンと灯る明かりと茶器の空間がイメージ出来、思いつくままにリンゴの形や器の欠片、植物の枝のように見せたものなど作りたいものがどんどん湧き上がりとても愉しく作陶しました。 そうして完成した「一灯と茶器」展に25年来の友人が来廊されました。 わたくしはちょうど禅語の本を読んでいたので、その友人に気に入っている禅語のことを話しますと、友人は自分の好きな禅語が一つあるとおっしゃり「一隅を照らす」とご紹介くださいました。 「一隅とは今、あなたがいるその場所です。あなたがあなたの置かれている場所や立場で、最高に尽くして照らしましょう。あなたが光ればあなたの隣人も光ります。皆の小さな光が集まり日本を、世界を、地球をも照らすことができるのです」と言った意味だと教わりました。 友人はこの意味を知った時は「あぁ、わたしはこれで、このままでいいんだ」と心救われたそうです。 わたくしは個展のテーマを一灯と茶器にしたことで、この言葉を知るご縁をいただいた気が致します。

桜の効用

新年度がスタートする時期に併せるかのように桜が開花します。 卒業、新入学、新社会人、転勤など心新たになる時期の春。 ドキドキ、ハラハラと初めての経験をするときほど、記憶は鮮明に残るのではないでしょうか。 その記憶には心情と共に満開の桜やハラハラと舞う桜の姿も一緒になって残されているのではと思います。 日本人の心情に最も添うとも言える桜。 愛でるひと時にいろんな思いを馳せながら、その花びらのひとハラ、ひとハラに厭くことのない想いを乗せて 春を迎え、歩む元気を私たちに与えてくれるような気がいたします。

株式会社トポフィリ Topophili.co

ホームページの転記、転写は固くお断りいたします。