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  • 執筆者の写真topophili

立春から「うつわ蘇生」

2023年立春に4年前から構想していた「うつわ」を直すアトリエを札幌に開設しました。

名はうつわを元の姿に限りなく戻すことから「うつわ蘇生」と名づけました。

コロナ禍で準備がスローになりましたが、コロナ禍の経験がむしろ必ず春にうつわ蘇生を開設する!と深根まで入り込むことになったのです。

最初はご依頼をいただいた器を直すためだけのアトリエにするつもりでしたが、北海道ではうつわを直すのは金・銀継ぎで、私の蘇生のテクニックはイギリス生まれの共継ぎになり、北海道ではこの元の姿に近づく直しをするのは私一人しかいないと思うと、北海道の方々に自分でも元の姿に直す喜びや、その安堵感をぜひ体験して欲しいと望むようになり、アトリエで通いで直せるように机を4つ配置しました。

 1間のちいさなアトリエなので開設というのもおこがましく思えて、”アトリエがスタートしました”と数人の方の挨拶文に書いたのですが、開設の初日に素敵なお花やアトリエへ来てくださる方がいて思いがけないお祝いに感動しました。 テクニックを習得し、名前を考え、ロゴをこしらえ、本を作り、札幌でアトリエを探し、ホームページを作成し、備品家具設備まで全て一人でやり遂げたのは本当に感無量を体感するものでした。

 実はこの「うつわ蘇生」は自社のトポフィリに大きく関係があって始めました。 著者ガストンバシュラールの「空間の詩学」において”幸せな空間をイメージする概念:

Topophili"に、愛する器・茶器など勿論含まれるからです。その愛する器ひとつが壊れても幸せな空間ではなくなってしまいます。その器を直すことができたら、その空間も器も、それに寄せる人の愛着も蘇ることになり、幸せな空間を再び続けることができる、そんな思いを持って数年の準備期間を経てやっと実現できたのが「うつわ蘇生」なのです。

今後は一人でも多くの北海道の方々に知ってもらうための種まきに励む必要があります。

ちょうど北海道もこれから雪解けが進み春の香りや陽射しを感じる頃でしょう。


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