topophili
旅先の葉書
例年の2月、3月は一年の中で旅の多い季節では無いでしょうか。
思い出旅行、卒業旅行、記念旅行、春は旅立ちの季節ですね。
そんな旅先のホテルや旅館の机の引き出しに、レターセットと一緒に葉書が添えられているのをご存知ですか? わたくしはこの葉書がとても好きで、行くたびに持ち帰ってはファイリングしているのですが、ここ十数年のうちに宿泊先ではレターセットが備えられなくなり、葉書も見かけなくなってしまいました。
これもインターネットの普及に関係しているのでしょう。
「いま、ここにいます」
そうしたためて手紙を書き、宿のフロントに「投函しておいてください」と言付けて、また違う旅先へ向かうのも旅の醍醐味でしたが、今はこの愉しみも貴重になりました。
随分前になりますが海外の旅先から自分に宛てて葉書を出したことがあります。
旅が終わり自宅に戻った自分がその葉書を受け取ったのですが、旅先で高揚している自分の便りに少し気恥ずかしい気持ちになった思い出があります。
旅は日数に限らず、国内外に関わらず、わくわくと気持ちを昂らせてくれますね。
手元のファイリングした数々のホテルや旅館の葉書を見直しては泊まったときの情景や心持ちを思い出すことができます。
葉書はとても小さな物ですが旅の大きな役割を持っているような気がいたします。
