香の木の実

「右近の橘」「左近の桜」

今日でも京都の平安神宮の拝殿に植えられておりますが、左近の桜は寝殿が消失するまでは梅が植えられていました。橘、梅、桜と芳しい香りを好む日本人は中でも古くから橘を好んでいたようで、古事記や書記に題材として多く使われています。

橘は時じくの香の木の実として不老不死の常世の国から持ち帰ったとされております。

”いつでも良い香りを放つ木の実”その橘は豊穣を導く縁起のよい果樹とされていたようです。初夏には白い花が咲き、黄金の実となっても秋の風雨に耐え、そして冬の寒さにも葉を落とさず芳しい香りを漂わせてくれる橘は、人の崇高で精妙な性質をいつまでも忘れぬようにと願いを込められた樹木なのではないでしょうか。

時折、香りで心救われることがありますが、自然の香りをいつまでも感じられるよう、人も琴線を磨いていないと香りがわからないのではと思うこの頃です。



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