今から7年ほど前に静岡の和楽という民芸店で下手のような上手いようなそんな土人形と出会いました。
その7cm程度の土人形を作る人は鳥取にいる90歳の加藤れんべいさんと知り、より興味を持ちました。
お爺さんになるまで長いこと作り続けているはずなのに、まるで土人形は初めて作りましたというような
初々しさと気の抜けている感じと気負いの無さ、
「どうぞ力をお抜きなさい。いいんですよ、あるがままで」と諭されている気がしたのです。
思わずそこにあるれんべいさんの土人形を全部欲しくなりお値段を訊くと
これまた欲のない1体500円もしないのです。
お雛様や神様を数体買い、帰宅して飾ると ”こてん”と変な顔した貧乏神様が倒れました。
”こてん” ”ころん” 時折の振動や地震で貧乏神様は倒れてしまいます。
どうやら足の座りが悪く不安定なようです。
倒れる度に「れんべいさんの大らかな作りだから仕方ないわ」割れることを心配しながら”よいしょ”と立て直してあげます。
先日、また ”ころん” となった貧乏神様を起こしながら ン?もしかしたら「貧乏は立て直しがきくんだよ。。
貧乏神様は強くないのだよ」というれんべいさんの想いによる計らいで座りをよくしていないのかもしれない。
そう気付くのに7年かかりました。
・・・・6年前に天国へ逝かれたれんべいさん、土人形をありがとうございます。