季節の移りと共に装いの衣替えをしますが、それに合わせ虫よけ香を買い求めます。
以前はコマーシャルで見かける香りのしない商品を使用しておりましたが、
着物などをしまうときに無臭よりほのかな移り香のあるほうが情緒的でよいのではと思い、
京都の虫よけ香を使用するようになりました。
着物に限らず、帽子やコート、マフラーや布団などにも忍ばせているのですが、
はじめは元気に香りを放つ虫よけ香も、次第に香りが柔らかになり、最後の方は何ともいえぬ柔らかく儚い花のような香りを感じます。
その頃にはちょうど3、4ヶ月経っており、次の季節がやって衣変えといった風に、上手いくらい香りと衣変えの時期が合うのです。
無臭を使わなくなってからはこの香りのリズムが季節の移り変わりを感じるようになり、
手間の掛かる衣替えはより愉しくなりました。