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  • 執筆者の写真topophili

酒器のこと


25年以上になりますが輸入食器店の店長をしていた時に、同じ商業施設のワインバーでワイングラスのテイスティングが行われました。

ワインのテイスティングなら馴染みがありますが、ワイングラスのテイスティング?と耳慣れない言葉。

何よりそのワイングラスは私の在籍している会社が輸入代理店になったというので、これは勉強しなくてはと参加いたしました。

私はその時、すっかりそのワイングラスに魅せられて、このグラスをもっと知りたい、関わりたいと思いました。

そのグラスはリーデルグラスという名でワイン好きのオーストリアのゲオルグ・リーデルが考案したグラス。

ワイングラスの口径や角度、薄さや長さなど、あらゆる点でワインを飲んだ時に舌の上にどう落ちるかを考えて作られたものです。

私はこれを機会にワインと舌の味蕾、器の形状と味わいの関係を独学で勉強しました。

この学びはワインに限らず、そのお酒をどのような酒器で飲むと適当かという知識を経験を通して身につけることができ、酒器を見るだけ選択できるようになりました。

近頃、日本酒が海外でもブームですが、ワイングラスで飲んでいるのをよく見かけます。

日本酒の本来の良さ、味はリーデルグラスのようなワイングラスで飲むことが最適とは思いますが、

どうも日本酒らしさが消されてしまい、まして徳利も使わない机上では日本酒を楽しむ空間が味気なく感じてなりません。

日本酒の盃もリーデルグラスのように口当たり、舌の味蕾を考えた物が増えることを期待しています。


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