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活版印刷のこと

  • 執筆者の写真: topophili
    topophili
  • 7月26日
  • 読了時間: 2分

 25年ほど前に、耳付きの手漉し名刺の紙を民藝店で手に入れました。

普通の名刺サイズより一回り大きなサイズのもので、

それを見た時、いつかこの紙に活版印刷で印刷をしたいという思いが芽生え、

長年あたためていたのです。

その夢を先日、やっと実現しました。

なぜ25年ほどもあたためていたのか、それは、この紙は会社の名刺ではなく、個人名刺として使用したいと考えていたからです。

「わたしという人はこんな人です」ということをお伝えする名刺は、

わたしという人の中身がないことには、名刺を作る意味がありません。

氏名、電話、ホームページのURLを記載しても、『また会いたいな』、『連絡したいな』と思わずにはいられない時、名刺がはじめて役に立つと思うのです。

 会社の名刺の場合、仕事先で名刺の交換した後に「このメールは以前、名刺交換した人にお送りしているメールです」とどこかの販売先のリストに載せられることもありますが、

今回のような耳付きの手漉き名刺で100名未満の数ですと、ばら撒くのではなく「この人に渡したい」という選択した相手に渡すことになります。

渡した時に、「ああ、出逢えてよかった」と受け取った方に思っていただけるような人にならなければと考えて、25年も経ってしまったというわけです。

かといって、今も立派にはなっていないのですが、60歳を過ぎてから100枚ほどの名刺を渡したい相手はそうお目にかかれないのでは?とふと思い、

1年前倒しして今年印刷をすることに決めました。

 さて、大切な名刺の紙をどこの活版印刷に刷ってもらおうかと、あれこれ調べているうちに、「データ入稿」と記載していることの多さに驚きました。

この25年で印刷業界も変わり、活版印刷もデータで送れるようになっているとは。

手渡しで、お会いして原稿を渡すことをどうしてもしたかったので、探し進めると、

抱いていたイメージにぴったりの依頼先を見つけることができました。

出向いて1時間ばかり、知識の乏しい活版のことをいろいろ伺いながら、原稿をお渡しして

1ヶ月たち、活版の刷り見本が送られてきました。

あぁ、本当にこちらに頼んでよかった、すべてが完璧な構成で、手漉き名刺も嬉しそうに見えました。

この名刺に負けないようにこれからも成長しなくてはなりません。

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