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  • 執筆者の写真topophili

うつわ蘇生、北海道札幌にて

器の直しのアトリエ「うつわ蘇生」を北海道札幌に構えてから半年が経ち、札幌市内の飲食店や個人の方からご依頼をいただくようになりました。

うつわ蘇生は北海道で唯一の共継ぎによる直しの手法になるのですが、まだまだ金継ぎ・銀継ぎの方が国内では主流なので、ゆっくり徐々にうつわ蘇生を知っていただこうと思っていたところ、コロコロと立て続けに春から夏にかけてご依頼を頂戴しました。

ご依頼主様からアトリエで直す器を受け取りながら、うつわ蘇生を知っていただいたキッカケをお訊きしますと、皆さま「検索してヒットしました」とのこと。

”北海道は器は直すより新しく買う生活文化”と札幌へ引っ越しする前によく言われましたが、「直す」という想いは文化から来るものではなく、お一人ごとの心の在り方が起こさせるものと思います。

 先日、お嬢様のお茶碗を直したいとご依頼いただきましたお父様は「もう何回か同じものを買い替えていたのですが、お茶碗のメーカーが販売を終了したそうなので直すことにしました」と言われました。

小学生の頃からお使いで、今では高校生になられたお嬢様のお茶碗を直そうとされたお父様に”何か大切な想い出がこの茶碗にあるのかも”と胸を打たれました。

これからも心の在り方で繋がる「うつわ蘇生」を育てつつ、自分自身も研磨していこうと改めて思いました。






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