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  • 執筆者の写真topophili

場所への愛、そして

今年の春に老齢の両親とこの先の暮らし方を話し会うことがありました。

長年暮らした環境を変えず、新たに小さく住まいを建て替えることになりました。 建て替え中の3ヶ月半ほどは借り暮らしのため両親は引越しすることに。

実家に片付けを手伝いに行くと「何を持っていくか」「何を捨てるのか」という話になり、30年以上住んだ戸建てから3分の1以下の広さに入れる荷物は半分以上処分しないととても入りません。

特に家具などの大きなものや、たくさんある生活用品がどうするかと頭を悩ますことになりました。

頭だけなら良いのですが「もう手放しては?」と提案すると、「これは嫁いだ時に・・・」「これはこの家の新築にいただいた思い出の品・・・」となり、なかなか処分にならず、

心まで悩ましてしまいます。

引っ越しに間に合い、新居に入るのかと心配しているわたくしの側で父が言いました。

「これらのものはわたしらの生活を共に過ごしたものなんだ、人生そのものなんだよ」

今、まさにトポフィリ(場所への愛)に立ち会っていることを肌で感じ、

両親にとって新たな暮らしが気持ちよくスタートができるように見守りながら支えようと改めて思いました。


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