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  • 執筆者の写真topophili

月草のことば

気がつくと今年も半年過ぎようとしています。

この時期は故郷、北海道ではわたくしの好きな蒼青とした草の緑が一瞬の時でもあります。

先日、近所の山に登った際に、小さな蒼い花をつけた露草が一斉に咲いていました。

可憐なようでたくましく育つその露草は元は「月草」と言われていたそうです。

朝に咲き、午後には萎んでしまう移ろいやすさと儚い朝露のイメージからいつしか「月草」から「露草」になったと言います。

露草の「つゆ」は大気の結露ではなく自らの水孔から排出したした露であること、

咲く時間が短いため虫の訪れを待たずに自ら萎むことで自家受粉できること、

なんとも自立した草なのです。

月草の由来を知らずに歩けばただの青い小さな雑草ですが、由来を知っていれば

それは眩しいほど成熟した大人の蒼い小さな花に見えます。

最近は情緒的より叙情的な感じが多いのかもしれません。



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